ロータリーの目的
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある:
第1 | 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること; |
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第2 | 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、 社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること; |
第3 | ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、 日々、奉仕の理念を実践すること; |
第4 | 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、 親善、平和を推進すること。 |
創始者 ポール・ハリス
20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになってきました。ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名づけられたものです。
こうして1905年2月23日にシカゴロータリークラブが誕生しました。それからは、志を同じくするクラブがつぎつぎ各地にうまれて、国境を越え、今では163カ国、約120万人の会員を擁し、全世界で奉仕活動を行っております。2005年には創立100周年を迎えたNGO団体であります。2005-2006年度の国際ロータリー会長 カール.ヴィルヘルム.ステンハマー氏は、ロータリーの第2の100年の第1章を書き始める年度に、年度のテーマとして従来からのロータリー標語であり、かつロータリアンの行動指針ともいえる 「超我の奉仕」を選び、ロータリーでの日々を簡素に保つ努力、すなわち、過去からの継続を維持しつつ、未来に向けてまっすぐな道のりを据えることが必要であると説いています。 ロータリーは、他の奉仕団体と違い、「職業奉仕」という理念があります。自らの 職業を通じて社会に奉仕するということであり、“ He profits most who serves best ” のモットーが中心に据えられております。
また、全世界のロータリー会員が拠出するロータリー財団は、世界の貧困、教育、保健衛生、環境問題や文化交流に積極的に取り組んでおります。特に全世界からポリオを撲滅するための「ポリオプラス」プロジェクトは1979年から取り組まれ、ここ数年のうちに目的を達成しようとしております。これは、WHOなどからも高い評価を受けています。さらに、日本のロータリークラブ会員による米山奨学会は、主にアジアから来日した優秀な留学生を対象に、費用面のみならず、生活・精神面で多くの支援を提供しております。本奨学会の卒業生には、自国で重要な職責につき、日本と各国の掛け橋として活躍しております。
昨今の経済情勢から、日本のロータリーにおいても会員数の減少や拠出金の減少といった問題が問われております。しかし、ロータリークラブは1905年に大恐慌下のシカゴで4人の企業家によって創られております。このような経済情勢であるときこそ、原点に立ち返り、襟を正して職業人としての自覚と誠実さが求められているのです。ロータリークラブはそのような意味での人間形成道場なのかもしれません。
(文責:七尾ロータリークラブ会員 神野正博)